2010年2月25日木曜日

アンドリューサルクス Andrewsarchus mongoliensis

Andrewsarchus mongoliensis
始新世後期・東アジア
 左側の頬弓が欠けた頭骨1個の化石のみによって知られているメソニクス目の仲間です。
長さ834mmの頭骨は、これまでに発見された肉食哺乳類の中では最大級の大きさです。その為、史上最大の肉食哺乳類とされていますが、正確な大きさは分かりません。
 イラストはタイプ標本の図と写真を基に描きました。下顎は発見されていないので、シルエットだけで表現しています。
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参考にした資料
・"Andrewsarchus, giant mesonychid of Mongolia"
Henry Fairfield Osborn
(American museum novitates, Number 146, 1924) 

(イラスト・文 meribenni)

2010年2月22日月曜日

パキヤエナ Pachyaena ossifraga

Pachyaena ossifraga
始新世前期・北アメリカ
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 絶滅した蹄を持つ肉食哺乳類・メソニクス目の仲間で、このossifraga種は数種類知られているパキヤエナ属の模式種です。
 パキヤエナ(及び何種かのメソニクス)の食性について、歯の形状などから
1)カメや魚などを食べていた(Cope, Matthew)
2)主に他の動物の死体を探して食べていた(Boule, Osborn, Scott)
3)自力で狩りをする捕食者だった(Szalay, Gould)
という説がありました。
 近年、保存状態の良い数体のパキヤエナ ossifragaの化石を調べた結果、速くは走れないものの長時間の走行・移動に適した体であった事が分かりました。この事から、パキヤエナ ossifragaは広範囲にわたって食物を探して歩き回るスカベンジャーだったという結論が導き出されました。
 イラストは、複数の化石から復元した全身骨格図を基に描いています。
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参考にした資料
・"Functional and behavioral implications of vertebral structure in Pachyaena ossifraga (mammalia, Mesonychia)"
Xiaoyuan Zhou, William J.Sanders, and Philip D. Gingerich
(Contributions from the museum of paleontology the university of Michigan, Vol. 28, 1992)

(イラスト・文 meribenni)