2010年5月18日火曜日

デスモスチルス Desmostylus sp.

Desmostylus sp.
中新世・北太平洋沿岸
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 日本を代表する絶滅哺乳類で、現生に子孫を残さず絶えた束柱目に属します。円柱を数本束ねた様な形の非常に特徴的な臼歯を持ち、それが束柱目という名前の由来になっています。

 犬塚則久博士による復元骨格を基にした図(上)と、ドムニング博士による復元骨格を基にした図(下)の2点を描きました。
 犬塚復元は、四肢が体幹から横に張り出した側方型の体型なのに対し、ドムニング復元は四肢が体の下に伸びる下方型の体型に復元されています。
ドムニング復元のイラストを見た知人に指摘された事の中で、「図のように肘を張り出させない状態にすると、指先が外側を向く」というのが面白いなと感じました。

 デスモスチルスの復元といえばすぐに犬塚復元を思い浮かべますが、一般的な哺乳類然とした雰囲気のドムニング復元骨格も一度は見てみたいです。日本には無い様なのでなかなか難しいかもしれませんが。
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参考にした資料
・「絶減哺乳類デスモスチルスの復元」(バイオメカニズム 9, 1988)犬塚則久
・「デスモスチルスの復元 その後」(地質ニュース 421, 1989)犬塚則久
・「絶滅した日本の巨獣」(築地書館, 1989)井尻正二、犬塚則久
・「生体力学モデルと機械モデルによる絶滅哺乳類デスモスチルスの歩行復元」(バイオメカニズム 15, 1999)山崎信寿, 梅田昌弘, 池内康
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(イラスト・文 meribenni)