2013年6月2日日曜日

イグアノドン Iguanodon (旧復元)

 Iguanodon bernissartensis
イグアノドン ベルニサルテンシス(旧復元)

全長: 8m
発見地:ベルギー(その他、ヨーロッパ)
時代:白亜紀前期
 
イグアノドンは最初に学名を付けられた恐竜です。その学名が付けられてしばらくは、鼻の上にサイのような角を持つ、いかにも「爬虫類」という姿で復元されていました。
そのイグアノドンの姿が、現在の復元に一気に近づいたのが最初のイグアノドンの発見から約50年後、1878年のベルギーのベルニサール炭鉱での発見でした。30体とも言われるイグアノドンの化石が見つかり、さらにその中には関節の繋がった状態、つまり生きていた時の姿に近い状態のものも多く含まれていました。この発見はイグアノドンだけでなく、恐竜全体の復元の研究を大きく進展させました。ここで発見された化石は、組み立てられベルギー王立自然科学博物館に展示される事になります。今回のイラストは、その展示骨格を基に描いたものです。


(ベルギー王立自然科学博物館にて2012年撮影)

現在の復元に近づいた、と解説しましたが、当時はまだ尻尾を引きずったカンガルー型・もしくは日本ではゴジラ型とも言われる復元スタイルが「最新」でもありました。このベルギーの展示もゴジラ型スタイルです。
2012年にベルギー王立自然科学博物館で、当時の復元のままのイグアノドンの展示を見た際、その化石の保存状態の見事さと共に、非常に精密に組み立てられた復元骨格に驚きました。もちろん復元としては古いスタイルなのですが、各関節が大きく外れる事もなく、また左右のバランスにも狂いが少ない、「綺麗」な骨格なのです。

現在の復元を基にした骨格にも精度の差、組み立て手法の差があるように、各年代での復元骨格、そしてイラストや模型にも精度の差があります。今回は、精度が高いと感じたベルギーの骨格に沿った復元を試みたらどうなるか、という主旨で描いています。


         (現在の復元を基にした作品 )





こちらは、ベルリン市立動物園内のアクアリウム前のイグアノドン像。1930年代の製作だそうですが、プロポーションや前肢の各指の長さの正確さや、顔がトカゲ型では無く、頭骨に近い形状&クチバシ状の口先など、非常に精度の高い造形で驚かされます。

:主な参考資料
・ベルギー王立自然科学博物館・ガイドブック

・特別展「イグアノドン」図録(1985年開催)

 (イラスト・文:ふらぎ

(恐竜・古生物イラストブログ「Extinct Creatures)