2014年10月24日金曜日

ケツアルコアトルス Quetzalcoatlus

ケツァルコアトルス・ノルトロピ
Quetzalcoatlus northropi
翼開長:推定10~11m
 発見地:アメリカ(テキサス州)
時代:白亜紀後期
以前は翼開長15mもある、最大の翼竜といわれていましたが、このノルトロピ種に関しては翼の一部しか見つかっていません。その後発見された近縁種や頭骨や体の骨が見つかった同属の小型個体(翼開長5.5m)から推算すると、翼開長は約10m程度だったようです。また、本種よりもハツェゴプテリクスのほうが大きかった(12m)可能性が示唆されています(※ハツェゴプテリクスを同種とする説もあります)
近縁種の骨格から推定すると、非常に長い首と大きな頭を持ち、直立したときの頭の高さはキリン並み(5)だったようです。ただし、首はあまり曲がらなかったようです。
体重については70kgと推定する意見もありましたが、現在は150500kgはあったとする意見が主流となってきています。
 本当に飛べたかどうかも議論があり、現生鳥類の行動学的データを基にした研究によると、巨大すぎて飛べなかったとする説も提唱されていますが、一方でかなりの長距離を飛行移動出来た、という説もあります。
 食性についても、まったくわかっていません。魚食性とする説や、大きな体で陸上を歩き小さな動物や恐竜を捕まえて食べていたとする説などが挙げられています。
(イラスト・ふらぎ、解説文・ラクティア)

   復元骨格・テキサス大学記念博物館にて2007年撮影  

  ケツアルコアトルス(種未定)復元骨格
2012年・福井県立恐竜博物館・・特別展にて撮影
 


主な参考資料
・翼竜の謎恐竜が見あげた「竜」図録 福井県立恐竜博物館 P.99-101

・佐藤克文 巨大翼竜は飛べたのか スケールと行動の動物学 平凡社新書
 (飛行できなかったとする説)
 
・Sato, K., Sakamoto, K. Q., Watanuki, Y., Takahashi, A., Katsumata, N., Bost, C. A., & Weimerskirch, H. (2009).  Scaling of soaring seabirds and implications for flight abilities of giant pterosaurs. PloS one, 4(4), e5400.
 (首の骨や食性について)

・Witton, Mark P., and Darren Naish. "A reappraisal of azhdarchid pterosaur functional morphology and paleoecology." PLoS One 3.5 (2008): e2271.