2013年5月15日水曜日

ゲロトラックス Gerrothorax


 ゲロトラックス プルケッリムス
Gerrothorax pulcherrimus 

全長 約1m
ドイツ他 
三畳紀後期


マストドンサウルス等の大型両生類も属するステレオスポンデュリ類・プラギオサウルス類の1種です。 「眼が大きい」点が外見の特徴としてとりあげられる事が 多いのですが、本当にそれほど眼が大きかったのかな、と以前から不思議に思っています。確かに頭骨の眼の穴は大きいのですが、オオサンショウウオも同じように大きい眼の穴を持っていますが、眼自体は小さいですし、またゲロトラックスの頭骨の上下の厚みはそれほどなく、カエルのような眼球が入るようにも思えません。という事で、試しに「眼の小さいゲロトラックス」を 描いてみました。
また、標本を見る限り背中には小さな骨板が並んでいるため、イモリやサンショウウオのような柔らかい皮膚というより、ゴツゴツと硬そうな質感の皮膚をイメージしています。
下半身に関しては、標本にはその部分が欠けており、また骨格がわかる資料が手に入らなかったので、近縁種を元に想像しています。

(ドイツ・レーヴェントール博物館にて2011年撮影

学名の由来は「頑丈の胸」。その名の通り、胸部に大きな板状の骨を持っています。これはゲロトラックスと同じ分椎類のメトポサウルスやエリオプス等にも見られる特徴です。


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主な参考資料
・"Gerrothorax pulcherrimus from the Upper Triassic Fleming Fjord Formation of East Greenland and a reassessment of head lifting in temnospondyl feeding".
Farish A. Jenkins, Jr., Neil H. Shubin, Stephen M. Gatesy & Anne Warren (2008).
 Journal of Vertebrate Paleontology

・"The Rise of Amphibians: 365 Million Years of Evolution" Robert Carroll

 (イラスト・文:ふらぎ



(恐竜・古生物イラストブログ「Extinct Creatures)